プロジェクトマネージャーとは?リーダーとの違いや役立つ資格、なり方について解説

2023.7.10 (月)

業界・職種

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就職・転職市場において、プロジェクトマネージャーは人気の高い職種です。

ただ、「プロジェクトマネージャーって、具体的に何をする職種なのか?」と疑問に感じられている人も少なくありません。

本記事では、そんなプロジェクトマネージャーについて解説します。

「プロジェクトマネージャー」とは?

プロジェクトマネージャーとは、大まかに言うと、「プロジェクト計画を策定し、計画を遂行するマネジメントをする役割」と言えます。

プロジェクトにはQ(Quality=品質)、C(Cost=プロジェクト原価)、D(Delivery=納期)といった目標があります。これらの目標を達成する役割を担うのがプロジェクトマネージャーです。

目標を達成するために、プロジェクトメンバーに対してさまざまなマネジメントを行います。

また、プロジェクトメンバーだけでなく、顧客含めたステークホルダーとの信頼や協力関係を構築する役割も求められます。

そんなプロジェクトマネージャーの仕事内容は多岐に渡ります。大きく分けると、以下の4つに分類できます。

1.プロジェクト計画の策定

顧客の要望をヒアリングし、プロジェクトの目標を明確にします。「このプロジェクトは、どのような成果を上げるのか?」を顧客と共に考え、明確にしていきます。

このプロジェクト目標が曖昧な場合、行き当たりばったりのプロジェクトとなり、時に進むべき方向を間違えてしまいます。

また、そんなプロジェクト目標を達成するために必要な計画を作ることも、プロジェクトマネージャーの大事な仕事です。

「このプロジェクトが期待される成果を上げるために、何が・どれだけ必要か?」を考え、スケジュールを明確にし、必要な人員や工数、原価を計算します。

2.プロジェクトチームの編成

上記で策定したプロジェクト計画に則り、必要な人材を確保し、プロジェクトチームを構築するのも、プロジェクトマネージャーの大事な仕事です。

人員は必ずしも自社内だけで確保するとは限らず、社外のパートナーと協業したり、フリーランスの方に入ってもらったりすることもあります。

限られた予算の中でプロジェクト計画を達成できるチームを構築することが、プロジェクトマネージャーには求められます。

3.プロジェクトの進捗管理

顧客に定期的な進捗報告をしながら、プロジェクトが予定通りに進行するよう管理します。

プロジェクトが、当初の計画から全く変わらない、なんてことはまれです。

時には顧客から要望変更が入ったり、時には何らかの問題が発生したりと、当初は想定していなかった変化がプロジェクトでは発生します。

そういった変化をくみ取りながら、プロジェクトメンバーや顧客と都度の共有・すり合わせを通し、問題解決や計画の最適化を行います。

プロジェクトマネージャーには、プロジェクトの進捗を顧客・所属企業に説明する責任があるので、プロジェクトの進捗管理は、プロジェクトマネージャーの腕の見せどころと言えるでしょう。

評価およびレビュー

プロジェクト推進中・終了後には各工程の成果物のレビューを行い、品質を確保することもプロジェクトマネージャーの仕事に含まれます。

プロジェクトマネージャーは、予算やスケジュールの決定も自身の責任で行うことになります。

そのため、プロジェクト全体を俯瞰し、改善点の洗い出しや対策の検討、評価を行い、それらを顧客や所属企業に報告する役割を担います。

プロジェクトマネージャーとプロジェクトリーダーは何が違う?

企業によっては、プロジェクト管理にかかわる役割として、プロジェクトリーダー(PL)というポジションを設けている場合もあります。

このプロジェクトリーダーとプロジェクトマネージャーは混合されることが多いです。いずれのポジションも重要な役割を担いますが、担当業務や役割で違いがあります。

担当範囲

プロジェクトマネージャーがプロジェクト「全体」のマネジメントに関わるのに対し、プロジェクトリーダーはプロジェクトの「各チーム」のマネジメントに関わります。

多くの場合、プロジェクトは複数のチームで構成されます。それぞれのチームをまとめるのが、プロジェクトリーダーの役割です。

求められる役割

プロジェクトマネージャーがプロジェクト全体に目を配り、チーム間の調整や、顧客含む関係者への説明・提案を求められるのに対し、プロジェクトリーダーは担当するチームにおいて期待される成果を出すことが求められます。

そのため、プロジェクトリーダーにはプログラミングやシステム設計など、専門的なスキル・知識も求められます。

まとめると、プロジェクトマネージャー=プロジェクト全体のまとめ役、プロジェクトリーダー=各チームのまとめ役と考えると、分かりやすいかもしれません。

プロジェクトマネージャーに必要なスキルは?

プロジェクトマネージャーは、プロジェクト全体の管理や、顧客やプロジェクトメンバーとの調整など、幅広い業務をこなします。

そんなプロジェクトマネージャーには、どんなスキルが求められるのか?

具体的には、以下のようなスキルが必須と言えるでしょう。

リーダーシップ

プロジェクトはひとりで動かすものではなく、チーム一丸となって進めていくものです。

そのため、プロジェクトマネージャーは、チームメンバーとのコミュニケーションや議論、プレゼンテーションなどの場面で、リーダーシップを発揮する必要があります。

計画・提案

顧客の要望を、限られた予算・人数で満たすため、プロジェクトマネージャーには効率的に目標を達成するための計画を作成するスキルが求められます。

加えて、その計画を顧客含むステークホルダーに提案し、承認を取り付ける提案力も求められます。

つまり、計画を作るだけでは不十分で、その計画を関係者に納得してもらえるように提案するスキルが求められます。

マネジメントスキル

プロジェクトマネージャーという職種名が示すとおり、その仕事の多くは「マネジメント」です。そのため、プロジェクトマネージャーには、プロジェクトを計画通りに進捗させるため、リソースの適切配置や業務フローを設計するスキルが求められます。

また、プロジェクトの中で発生したトラブル・問題を迅速に解決し、進捗への影響を最小限に留める問題解決能力も求められます。

コミュニケーションスキル

プロジェクトを成功に導くためには、顧客の要望を正確に理解し、プロジェクトメンバーとの正確な情報伝達・信頼の醸成が欠かせません。

そのため、密なコミュニケーションが必要で、プロジェクトマネージャーには高いコミュニケーションスキルが求められます。

プロジェクトマネージャーに役立つ資格は?

プロジェクトマネージャーとして働くのに、必須資格はありません。

なので、弁護士や医師のように、特定の資格がないと働けない職種ではありません。

しかし、プロジェクトマネージャーとしての知識や実力を客観的に証明するのに役立つ、代表的な資格を紹介します。

プロジェクトマネージャー試験

プロジェクトマネージャー試験は、経済産業省所管の独立行政法人である情報処理推進機構(IPA)が認定する「情報処理技術者試験」のひとつで、システム開発プロジェクトのマネジメントスキルを証明するものです。

就職や転職の際に高く評価されるほか、大手企業などでは、資格取得を昇給の条件としている場合もあります。

しかし、合格率は14%程度(令和3年4月時点)と、難関試験ではあります。

PMP試験

PMP試験は、アメリカの非営利団体であるPMI(Project Management Institute)が実施する、プロジェクトマネジメントに関する国際資格です。

多くの国において、プロジェクトマネジメントスキルを評価する基準となっている資格であり、対外的にスキルを証明したい場合に有効です。

プロジェクトマネージャーの年収は?

プロジェクトマネージャーの年収は、年齢や企業によって400万円~1,200万円程度と大きな幅があります。

大規模なプロジェクトを請け負っている企業ほど、高いマネジメント能力や豊富な知識・業界経験が求められるため、それに伴って年収も高くなることが多いです。

一方で、高収入になれば、それだけ求められるものが多くなるのも事実です。

プロジェクトマネージャーのキャリアパスは?

一般的には、プロジェクトマネージャーを経験した上で、大きく2つのキャリアパスを通ることが多いです。

・スペシャリストの道を選び、現場に戻る
・上位職であるITコンサルタントを目指す

ITコンサルタントは、プログラムマネージャーより上流の工程を担当する役職のことです。

ITを活用して顧客企業の経営課題を解決する専門家として、顧客へのヒアリングから経営課題を明らかにし、どのようなシステムを導入すれば課題解決が可能か提案していきます。

また上記のキャリアパスに加え、CIOやCTOなどの最高責任者を目指すことも可能です。

どれもIT関連の知識だけではなく、経営の知識やDX推進のノウハウ、IT戦略立案の能力など、非常に高いレベルの知識と経験が求められます。

また、業界知識や自社のビジネス構造などに関する知識も求められるため、転職で目指すよりは社内からのキャリアアップで目指していくポジションとされる場合が多いでしょう。

プロジェクトマネージャーになるには?

プロジェクトマネージャーには十分な経験やスキル・知識が求められます。

そのため、未経験者が転職でプロジェクトマネージャーとして採用されるのはまれで、基本的には現職で徐々にキャリアアップしていくことが多いです。

ここではプロジェクトマネージャーになるための道筋の例をご紹介します。

現場経験を積む

マネジメント業務をする際、現場経験があることは、大きな強みになります。

そのため、まずはSEなどのエンジニア職として、要件定義や設計などの上流工程の経験を積むとよいでしょう。上流工程の業務では、技術や業務に関して身につけるべき範囲が広く、網羅的な知識が身につきます。

上流工程のタスク管理に携わらせてもらうなどして、少しずつマネジメント業務を経験していきましょう。

プロジェクトリーダーになる

現場経験を積んだら、徐々にマネジメントの経験も積んでいきましょう。

プロジェクトリーダーであれば、各領域の専門性を磨くとともに、よりマネジメントスキルを強化する経験を積むことができます。

進捗管理や工数管理などのマネジメント業務を行いつつも、チームメンバーと適切にコミュニケーションを取り、リーダーとしてチームをまとめることを意識しましょう。

まとめ

プロジェクトマネージャーはプロジェクトを成功に導く責任を負っており、一般的には裁量も大きいため、非常にやりがいのある職種です。

しかし、未経験からすぐにできる職種でもないため、必要な経験を着実に積んだうえでチャレンジするようにしましょう。

「自分にプロジェクトマネージャーが向いているのかな?」と悩んだら、最近では転職に向けた自己分析や企業分析を支援するサービスも登場しているので、活用してみるのもいいかもしれません。

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