仕事中に休憩なしは法律違反!労働基準をわかりやすく解説
2023.8.1 (火)
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目次
・休憩時間がなくて辛い
・仕事の休憩に関する情報がほしい
・適切な休憩時間を確保するためにできることはあるのかな
休憩時間がない多くの企業は、法律に詳しくない場合がほとんどです。
適切な休憩時間を主張することで、休憩を確保できる可能性があります。
しかし、仕事の種類や立場などによって、休憩時間がなくても大丈夫な例などがあり、少し構造が複雑です。
この記事では、仕事の休憩に関する労働基準法をわかりやすく解説したり、適切な休憩を主張する方法などを紹介します。
この記事を読むことで、仕事の休憩に関する知識武装が整い、自信をもって仕事に打ち込むことができるようになります。
休憩についての労働基準法と重要ポイント
休憩のない仕事については法律違反に該当します。
まず、休憩のない仕事に関する法律を確認しておきましょう。
仕事の休憩についての労働基準法は、「第四章 労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇」に記されています。
その一部を抜粋しますと、以下のような労働基準法があります。
使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について40時間を超えて、労働させてはならない。
使用者は、労働時間が6時間を超える場合においては少くとも45分、8時間を超える場合においては少くとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。
このように6時間以上働いている場合に限り、45分〜1時間の休憩時間が定められていることがわかります。
これら法律のポイントは以下の通りです。
・休憩時間は自由に利用させなければならない
・途中で与えなければならない
・一斉に取らないといけない
それぞれ詳しく見ていきましょう。
休憩時間は自由に利用させなければならない
働く人の休憩時間は、自由でなければなりません。
先輩や上司が休憩時間の過ごし方を制限することができないということです。
たとえば、新人に対して、休憩時間中に勉強するように指示を出したり、飲み物などの買い出しをさせていた場合、休憩時間になりません。
休憩時間は本人が自由に過ごさなければいけない時間です。
途中で与えなければならない
働く人の休憩時間は労働時間の途中でなければなりません。
働き始めにお客さんがこなくて暇だから休憩時間とすることや、帰宅時間を早めるために、休憩時間を短縮させるようなことはできないことになっています。
9時から17時まで働いている人は一般的に、お昼12時に1時間の休憩があります。
9時から10時まで休んだり、休憩がなかったから16時に帰宅したりできないということです。
働いている時間のどこか途中で、休憩をはさまなければいけません。
一斉に取らないといけない
休憩時間は原則、働く人みんなでとらないといけません。
各々好きな時間で休憩できないということです。
しかし、いくつか例外があり、一斉に取らなくてもよいとされる場合があります。
例外1:特定業種
例外1つ目は、特定業種です。
特定の事業や労働者は一斉に休憩をとらなくてもよいとされています。
・運輸交通業
・商業
・金融広告業
・映画・演劇業
・通信業
・保健衛生業
・接客娯楽業
・官公署
・農・水産業
・監督・管理者
・機密の事務を取扱う者
・所轄労働基準監督署長の許可を得て行う監視・継続労働
これらに該当する場合、交替休憩することが可能です。
例外2:労使協定
例外2つ目は、労使協定です。
労使協定を結び同意した場合に限り、一斉に休憩しなくてもよいとすることができます。
労使協定とは、労働者と使用者間で交わされる書面の契約のことです。
労働基準法通りの働き方では、都合が悪いときにお互いの同意のもとで働き方を変えることができます。
労使協定を交わした場合、労働基準監督署への届け出は不要です。
仕事の休憩に関する雇用者の義務
仕事の休憩に関する法律がわかったところで、雇用者(働かせる人)の義務について整理していきましょう。
仕事の休憩に関する「雇用者(働かせる人)の義務」は以下の通りです。
・適切な休憩“時間”の提供
・適切な休憩“環境”の提供
・法的手続きの遵守
・労働者への情報提供
それぞれ詳しく見ていきましょう。
適切な休憩時間の提供
雇用者は従業員に対して、適切な休憩時間を与えなければなりません。
適切な休憩時間とは、労働基準法第32条や第34条などのことを指します。
具体的には、お昼に食事の時間をしっかり与えたり、食事以外にも適度に自由な時間を作ることが求められます。
6時間以上働く人は45分以上、8時間以上働く人は1時間以上の休憩時間の確保が義務付けられているため注意が必要です。
適切な休憩環境の提供
従業員が安心して、休憩できる環境を提供しなければいけません。
清潔が保たれている環境や冷暖房設備が整備されている環境を指します。
休憩時間を与えたが、休憩できるスペースがなかったり、猛暑や極寒の中休憩させることはできません。
たとえば、適切な休憩環境が整備されていなく、従業員が熱中症などで倒れた場合、損害賠償を請求されることになります。
また、業務中の災害になるので、労災として取り扱うことにもなります。
冷暖房設備を整えて、安心して休憩できる環境を提供しましょう。
法的手続きの遵守
特定の条件を満たすことで、法的労働時間を超えて、時間外労働や休日労働をさせることができます。
これを36協定といい、労働基準監督署に届け出をしなければなりません。
36協定の届出に関する条件とは以下の5点になります。
・毎年の届け出が必要
・上限時間が1か月45時間、1年360時間である
・特別な事情がある場合
・割増賃金の支払い
・36協定の周知
これらを満たす場合に36協定を結ぶことができ、法的労働時間を超えても働かせることができます。
しっかりと条件をみたして、法的手続きを行いましょう。
労働者への情報提供
雇用者は労働者に対して、労働条件に関して、適切に説明しなければなりません。
休憩時間は何時から何時に設定されているのか。
また36協定を結んでいるのかなど働く人は知らなければなりません。
仕事の休憩に関する労働者の権利
仕事の休憩に関する労働者の権利を整理していきましょう。
仕事の休憩に関する「労働者の権利」は以下の通りです。
・適切な休憩時間の保証
・休憩時間中の自由
・健康で安全な休憩環境の保証
・休憩時間の省略や短縮に対する同意権
・不適切な休憩時間の問題提起
それぞれ詳しく見ていきましょう。
適切な休憩時間の保証
労働者は、一定の時間働いた後に、法律で定められた適切な休憩時間を取得する権利があります。
労働時間が6時間を超える場合には45分以上、8時間を超える場合には1時間以上の休憩時間が保証されています。
これに反した職場は、労働基準法の違反になるので、確認してみてください。
休憩時間中の自由
休憩時間中には、労働者は基本的に自由に過ごすことができます。
食事をとる、休息をとる、個人的な事務を処理するなど、雇用者が介入することなく自由に時間を使うことができます。
休憩時間中に業務指示を受けた場合、休憩時間にならないので確認してみてください。
また休憩時間は、作業しない時間を指すものではありません。
例えば、お客さんが来ない時間や電話受付の電話がきていない時間などは休憩時間にならないということです。
自分の労働環境が、適切なのか確認してみましょう。
健康で安全な休憩環境の保証
労働者は、清潔で安全な休憩スペースを提供される権利があります。
これは、危険な場所での休憩や、猛暑や極寒の中での休憩は休憩ではないということです。
清潔で安全な環境が整備されていなくて体を壊した場合は、損害賠償を請求することができます。
また、業務中の災害に当たるので、労災保険を受けることができます。
休憩時間の省略や短縮に対する同意権
特定の状況下で休憩時間が省略される、または短縮される場合でも、労働者の同意が必要です。
これは労働基準監督署に提出の義務がない、労使協定を指します。
労使協定とは、雇用者と労働者で交わされる書面契約のことです。
この労使協定に従い、お互いが同意のうえで労働条件を変更することができます。
同意しない限りは、労働条件は基本的に労働基準法に基づくことになります。
不適切な休憩時間の問題提起
労働者は適切な休憩が提供されていない場合や、その他の労働条件に問題があると感じた場合、これを雇用者や労働基準監督署に報告し、改善を求める権利があります。
労働条件が不適切な場合、雇用者もよくわかっていないことがほとんどなので、労働基準法を知らせてあげましょう。
それでも改善してくれそうにない場合は、労働基準監督署に報告しましょう。
労働基準監督署への報告は匿名で行うことができます。
大きなストレスになっている場合、すぐにお近くの労働基準監督署へ報告しましょう。
仕事の休憩がない原因
仕事に休憩がないのにはさまざまな原因があります。
原因が明確になることで、対策をとることができます。
自分に当てはまる原因を探してみましょう。
・仕事量が多すぎる
・人手不足
・職場の文化
・マネジメントの問題
・労働者自身の意識
・緊急事態や異常事態
このような問題があれば、仕事に休憩のない状態になってしまいます。
その詳しい原因をそれぞれ見ていきましょう。
仕事量が多すぎる
仕事量が多すぎると、休憩時間がないことがあります。
なぜなら、休憩していると仕事が回らない可能性や仕事が終わらないことがあるからです。
たとえば、料理人が一人しかいない人気飲食店だとします。
お店の開店準備から始め、食材の仕入れ、メニューの準備、調理、そしてサービスまで、すべて一人で行います。
営業が始まるとお客さんが次から次へと来るため休む時間をとれません。
もしそれでも休憩したら、お客さんを待たせることになり、気が気でないでしょう。
このように仕事量が多すぎると休憩時間が取れなくなってしまいます。
人手不足
人手不足の場合、休憩時間がとれません。
人が少ない場合、一人当たりの負担が多くなるからです。
具体的には、小規模な企業が人手不足に当てはまりやすいです。
例えば、スタートアップ企業はとくに、高い業績目標により、チームメンバーは休む暇なく作業を続けなければならず、休憩時間を確保することが難しくなっています。
また、技術の進化は早く、新たな課題や変更が常に発生します。
これらの課題に対応するためには、チームメンバーは自身のスキルを更新し続けなければならず、学習に費やす時間も必要です。
これにより、人の少ない企業は、仕事中に休憩なしになってしまいます。
職場の文化
職場の文化が問題で休憩時間がないことがあります。
休憩したら生産性が落ちると誤解していたり、上司が休憩しないことで休憩させない環境を作ろうとしている可能性があるからです。
上司や先輩は、古い成功体験に基づきこのような職場の文化を作り上げているのでしょう。
しかし、このような害悪な職場は、健全な職場の環境を損なう可能性があります。
職場の文化が更新されない古い考えのままなら、休憩のない仕事になってしまいます。
マネジメントの問題
仕事のマネジメントの問題で休憩なしとなることがあります。
上司が従業員の仕事の各部分を細かくコントロールしようとする管理スタイルを指します。
これは往々にして従業員の自由度を制限し、連続的な作業状態を強制し、休憩の機会を奪う可能性が高いです。
これらのマネジメントスタイルは、労働者のパフォーマンスや満足度、そして組織全体の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
労働者自身の意識
労働者みずから休憩をしない人もいます。
原則的にはみんな一斉に休憩をしなければいけませんが、休憩の自由で仕事をしてはいけないと定めることもできません。
働く人が好きで休憩時間に仕事をする場合は、何の問題もありません。
緊急事態や異常事態
緊急事態や異常事態が発生した場合、休憩をとることができません。
いち早く事態を収拾しなければいけないからです。
緊急事態で休憩をとることができなく、不満を感じることもあるでしょう。
このような特別な事情に限り、休憩がなくても労働基準法には該当しません。
仕事の休憩がなくても法律違反にならない事例
休憩のない仕事が法律違反かどうかは、具体的な状況や働いている地域によります。
なので、自分が働いている状況で休憩がなくても、法律違反に該当しない可能性もあります。
そこで、法律違反にならない事例を確認していきましょう。
以下が法律違反にならない事例です。
・休憩時間の短縮や省略の許可を得ている
・緊急や異常事態の発生
・労働時間が短い
詳しく見ていきましょう。
休憩時間の短縮や省略の許可を得ている
休憩時間の短縮や休憩時間の省略に同意した場合は、法律違反になりません。
これは、労使協定といって使用者と労働者の間で交わされる書面の契約のことです。
知らないうちに契約させられていたなんて事態を防ぐために、書面にサインを求められたらしっかりと中身を確認しましょう。
万が一、同意したことを忘れて休憩がないことに不満を言っても、一方的には取り下げることができません。
取り下げの際も双方の同意が必要なため、取り下げは難しいでしょう。
書面で労使協定を結んだ場合は、休憩がなくても法律違反になりません。
緊急や異常事態の発生
突発的でも予想させる事態でも、緊急性や異常性がある場合、休憩がなくても法律違反になりません。
休憩によって事態が悪化することを防ぐことが優先されるからです。
労働基準法に以下のように定められています。
「災害その他避けることのできない事由」によって、臨時の必要が発生した場合には、労働基準監督署長の許可を得て、その必要な限度において時間外・休日労働をさせることができます。
緊急事態が発生した場合は、事態の収拾に努めましょう。
労働時間が短い
労働時間が短い場合は、休憩がなくても法律違反になりません。
これは、「労働時間が6時間未満であれば、休憩時間を設けなくてもよい」とされているからです。
バイトやパートのような働き方でも、6時間を超えた場合45分以上の休憩は必要になります。
しかし、業務形態がどうであれ、6時間を超えない場合は、休憩時間がなくても法律違反になりません。
休憩がなくて不満な人は、自分の労働時間を計算してみてください。
適切な休憩になるように主張する方法
適切な休憩がない場合、会社へ休憩をもらえるように主張する必要があります。
無理をして休憩を省略し仕事をしたら体を壊す可能性があるからです。
トラブルに発展しないように主張する方法を紹介します。
・実態を記録する
・休憩がないことで生じる問題を特定する
・解決策を考える
・上司や人事部に対話を申し出る
・法律に詳しい専門家に相談する
実態を記録する
適切な休憩になるように主張する前に、休憩のない実態を記録する必要があります。
適切な労働環境であることを前提としているからです。
適切でないことを証明するために、日々メモやタイムカードに記録を残しておく必要があります。
休憩がないことで生じる問題を特定する
休憩がないことで、身体的や精神的に影響がある場合などがあります。
休憩なしにより発生した問題を特定することで、事態の重大性を認識させることができます。
解決策を考える
問題を解決するための具体的な提案が必要です。
例えば、適切な休憩時間を設けるための新しいシフトスケジュールを提案するなどです。
解決策を提示しないで、不満を並べるだけでは、取り合ってくれない可能性があります。
上司や人事部に対話を申し出る
労働組合や従業員の代表がいる場合、そのような組織に問題を持ち込み、対話をサポートしてもらうことも有効です。
従業員の働き方を上層部が知らない可能性があるためです。
法律に詳しい専門家に相談する
これらを主張しても、適切な対応をしてくれない場合、弁護士などの法律に詳しい専門家に相談してみましょう。
解決のためのアドバイスがもらえることが期待できます。
まとめ:楽しい仕事なら休憩はないほうが良い
仕事中、休憩なしで不満を感じている人は、「仕事が楽しくない」と感じている人がほとんどでしょう。
できればやりたくない仕事を無理やりやっていれば、誰でも不満が溜まっていきます。
休憩がなく職場に不満があるなら、自分に合った楽しい仕事をしましょう。
仕事が楽しければ、休憩がないなどの不満が生まれないからです。
「自分のやりたいことや好きなことを仕事にするなんてできない」と思っているかもしれませんが、そんなことはありません。
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